これまで世界中で採掘された金(ゴールド)の総量は約20万トンと言われており,これは国際基準プールの約4杯分といわれています.
地球上にある金(ゴールド)の総量は決まっており,有限の資源です.
そんな金(ゴールド)価格が上昇しやすい時を調べてみました.
過去のエビデンスなどを用いて紹介します.

1. インフレーション
金(ゴールド)は歴史的にインフレに対する保険として利用されてきました.
インフレーションが進むと,貨幣の価値が下がるため,金のような実物資産の価値が相対的に高く評価されます.
例えば,1970年代のインフレーション期に金の価格が急上昇しました.
1970年の価格が約35ドル/オンスだったのに対し,1980年にはピークで約850ドル/オンスに達しました.
なんと,20倍以上です.
2. 経済不安
経済や政治的な不安定性が高まると,多くの投資家はリスクを回避しようとします.
金は昔から「安全な避難先」として認識されているため,不安が高まると金の需要が増加します.
その結果,価格が上昇することがあります.
2008年の金融危機時には,金の価格が急騰し,9月末には金価格が約900ドル/オンスから一時的に約1,000ドル/オンスを超える場面もありました.
ただ,その後に価格が一時的に下落し,約730ドル/オンスまで戻っています.
3. 中央銀行の政策
中央銀行の金利政策や通貨供給の増加も金価格に影響を与えます.
中央銀行が低金利政策を採用すると,金利の低下によるインフレーションのリスクや,低金利による金利収入の減少から投資家が金に資金を移す傾向があります.
これにより金の価格が上昇することがあります.
例えば,2000年代初頭の低金利政策下で金の価格が上昇しました.
4. 需給バランス
金の供給と需要のバランスも価格に大きな影響を与えます.
金鉱山からの新規金の採掘量が減少する一方で,ジュエリーや工業用途,投資需要が増加すると,価格が上昇することがあります.
2000年代後半には,新規採掘量の減少と需要の増加が影響しました.
参考文献
- Kitco
金の過去の価格データを月別や年別で確認できます. - GoldPrice.org
日別,週別,月別,年別での金の価格履歴を見ることができます.