投資

【貯金】絶対的な支出制限,相対的な支出制限:どちらが資産形成に有利か?

「年収が増えたら生活レベルを上げるべきか?」

これは、資産形成を考える上で多くの人が直面する重要な問題です。

収入が上がると、「もう少し広い家に住みたい」「より快適な車に乗りたい」「外食の頻度を増やしたい」など、支出を増やす誘惑に駆られることは自然です。しかし、その一方で「本当にそれは必要なのか?」「お金を使うことで幸福度はどれだけ向上するのか?」と考えることも大切です。

ここで注目すべき節約戦略が、「絶対支出制限」「相対的支出制限」の2つです。

本記事では、それぞれの定義、メリット・デメリットを比較し、どちらがより合理的な選択なのかを検討していきます。

絶対支出制限とは?

これは造語です。

私の中での定義としては、「どれだけ年収が増えても、年間支出の上限は固定する」 という節約戦略になります。

たとえば、「年間支出は500万円以内」と決めた場合、年収が500万円でも2000万円でも、生活費は500万円を超えないようにする。といった感じです。

この絶対的支出制限のメリット・デメリットを紹介します。

メリット

✅ 資産形成が加速する

収入が増えても支出を一定に抑えることで、貯蓄・投資の割合が増え、資産が急速に積み上がります。

例えば、年収1000万円で年間500万円の生活費なら、貯蓄率50%。しかし、年収2000万円になっても支出を500万円に固定すれば、貯蓄率は75%に跳ね上がります。

✅ 生活コストのインフレを防げる(ライフスタイル・インフレーションの回避)

人は、一度上げた生活レベルを下げるのはなかなか難しいです。

「住居」「車」「趣味」の固定費が増えると、それに慣れてしまい、収入が低下した時に,元に戻せなくなるリスクがあります。

✅ 経済的不安が減る

支出が固定されているため、収入が減っても影響が少ない。例えば、収入が激減しても支出を変える必要がないため、ストレスが少ない。

デメリット

❌ 極端に制限しすぎると幸福度が下がる

収入が増えたのに全く生活の質を上げないと、満足感が得られにくい。

例えば、年収500万円の時に「家賃10万円・外食月2回」だった人が、年収2000万円になってもまったく変えないと、幸福度が低下する可能性がある。

❌ 支出の最適化が難しくなる

一定額しか使わないと決めてしまうことで、自己投資(教育・スキルアップ)、健康投資(ジム・健康食品)などにお金をかけられなくなる可能性がある。

相対的支出制限とは?

これも造語になりますが、私の中での定義としては、「収入の一定割合を支出に回し、残りを貯蓄・投資に回す」 という節約戦略です。

たとえば、「収入の50%を生活費、30%を投資、20%を貯蓄」と決めておけば、年収500万円なら生活費250万円、年収1000万円なら生活費500万円と、収入に応じて支出が増えます。

メリット

✅ バランスの良い資産形成が可能

収入に応じて支出も増やせるため、生活の質を向上させつつ、貯蓄・投資の割合も維持できます。

✅ モチベーションを維持しやすい

「収入が増えたら生活が少し良くなる」という報酬があるため、仕事や副業へのモチベーションが維持しやすいです。

✅ 機会損失を防げる

収入が増えた場合に、無理に支出を抑えすぎると、本来得られたはずの幸福度や経験を逃す可能性がある。

例えば、「年収2000万円になっても家賃10万円のまま」より、「家賃20万円の利便性の高い家に引っ越し、時間を節約する」方が合理的な場合がある。

デメリット

❌ ライフスタイル・インフレーションのリスク

収入が増えると、それに比例して支出も増えてしまうため、貯蓄率が思ったより伸びないことがある。

例えば、「収入の50%を支出」と決めていても、年収500万円のときは250万円の生活費、年収2000万円なら1000万円の生活費となり、結果的に大幅に支出が増えてしまう。

❌ 支出管理が曖昧になりやすい

絶対額ではなく割合で決めるため、「無駄な支出」が入り込みやすくなる。

例えば、「収入が増えたから」といって、特に必要のない高級車やブランド品を買ってしまうことがある。

結局、どちらが良いのか?

💡 結論:ハイブリッド戦略が最適

絶対支出制限と相対的支出制限のどちらが優れているかは、ライフステージや価値観による部分が大きいです。しかし、一般的に最適なのは 「基本的には絶対支出制限を守りつつ、重要な支出には相対的支出制限を適用する」 というハイブリッド戦略ではないでしょうか。

おすすめのアプローチ

1. 「コア支出」は絶対支出制限を適用

住居費、食費、日用品などの生活必需品は、一定額以上は増やさない。

2. 「成長・幸福度に関わる支出」には相対的支出制限を適用

自己投資(資格・スキルアップ)、健康(ジム・良質な食材)、時間を節約する支出(家賃・移動手段)は、収入に応じて増やす。

3. 「贅沢支出」はルールを決める

旅行や趣味は、「年間収入の5%まで」など、上限を設定する。